硝子体疾患
硝子体疾患の治療法
硝子体手術・硝子体注射について
当院では、硝子体に関連した病気の治療法として、硝子体手術や硝子体注射を行うことができます。
そもそも硝子体とは?
硝子体とは、眼球の内部になる透明なゼリー状の組織です。眼球の形態を保ち、外から入ってくる光を屈折させる役割を果たします。後方では網膜と結合しています。この硝子体が何らかの理由で濁ったり、出血したりした場合に適応されるのが硝子体手術です。
硝子体手術
硝子体手術では、出血などで濁った硝子体をカッターで切除して取り除きます。切除した部位には欠損が生じるので、灌流液を充填します。そうすることで、眼球の形態を正常に保つことができます。網膜に異常があるケースでは、増殖膜と呼ばれる異常な組織をハサミで切り取ったり、レーザー照射したりすることで、症状を改善します。
【手術の注意点】
網膜剥離や黄斑円孔といった病気では、灌流液をガスに入れ替えて手術することがあります。そうしたケースでは、術後数日間うつむき姿勢をとる必要が出てきます。詳しくは治療前にきちんとご説明します。
硝子体注射
硝子体疾患は、注射によって症状を改善できることもあります。当院で行っている硝子体注射は以下の2種類です。
抗VEGF中和抗体硝子体内注射
眼球内にVEGF(血管内皮増殖因子)という物質が多量に産生、蓄積される病気に対して有効な治療法です。中和抗体を注射で眼球内に投与し、増殖因子の活動性を失わせます。対象となる主な病気は以下の通りです。
- 加齢黄斑変性症
- 近視性脈絡膜新生血管
- 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
- 糖尿病黄斑浮腫
- 血管新生緑内障
ステロイド硝子体内注射
黄斑浮腫(おうはんふしゅ)に対して有効な治療法です。
黄斑浮腫とは、黄斑が何らかの理由でむくんでしまう病態で、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎などの病気が原因となりやすいです。眼球にステロイド薬(副腎皮質ホルモン)を注射して、その症状を緩和します。